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東洋医学において、「肝虚(かんきょ)」は肝(かん) の機能が低下している状態を指します。西洋医学で言う「肝臓の病気」とは異なり、「肝」は気血の調節、自律神経、感情(特に怒り)などを司るとされる 「機能的な概念」 です。
「肝」の主な役割は以下の通りです
疏泄(そせつ)機能
気や感情の流れを調節
蔵血(ぞうけつ)機能
血液の貯蔵、筋や目への栄養供給
筋や目の健康維持
◆肝虚の患者への対応方法
肝虚の患者には以下のようなアドバイスが考えられます。
①漢方薬
肝血を補う(補肝血) ことが基本です。代表的な漢方薬
・四物湯(しもつとう)
肝血を補う基本方剤。女性の月経トラブルにもよく使われる。
・加味遭遇散(かみしょうようさん)
肝虚に加えてストレス・イライラが強い場合に。
・杷菊地黄丸(こぎくじおうがん)
目の疲れや老化による肝腎虚に。
※必ず漢方専門医や薬剤師の診断を受けてください。
②食養生(食事療法)
肝血を養う食材を積極的に摂ることが推奨されます。
・黒ごま、黒豆、なつめ (嚢)
・レバー(鶏・豚)、ほうれん草、にんじん
・イカ、タコ、異類など血を補う海産物
③生活習慣の改善
・目の酷使を避ける…長時間のスマホやPC作業を控える
・睡眠をしっかり取る…血を養うには十分な睡眠が不可欠
・ストレス管理…過度な怒りやイライラを溜めない工夫(肝は「怒り」と関係が深く、感情の起伏が肝を傷めます)
・油っこい料理、辛すぎる物、アルコール、加工食品(肝に負担をかける)は避ける
・夜11時前には就寝…中医学では「肝は夜に血を貯蔵する」とされ、22~2時の時間帯がとても大切。
・緩やかな運動がおすすめ…太極拳、ヨガ、気功、ウォーキングなど
・特に肝経の通り道(脚の内側~胸)を伸ばすストレッチが有効
肝虚の改善には、日々の小さな積み重ねが何よりも大切です。身体の声に耳を傾けながら、無理のない範囲で食事・睡眠・心のバランスを整えていくことで、少しずつ本来の健やかな状態へと導くことができます。経絡色体治療を生活に取り入れ、自分自身をいたわる時間を大切にするようにアドバイスしていきましょう。
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